犬や猫にもある?秋の花粉と皮膚トラブル
お知らせ

暑さが少しずつ和らぎ、秋の気配を感じるようになってきましたね。
秋は犬や猫にとっても過ごしやすい季節ですが、当院では「最近、目や耳をかゆがるようになった」「足をよく舐めるようになった」という相談が増えています。
その原因のひとつとして考えられるのが、秋に飛散する花粉です。
花粉症というと人の病気というイメージがありますが、犬や猫でも花粉などの環境中のアレルゲンが原因となり、皮膚にかゆみや炎症が起こることがあります。
他にも、落ち葉や土壌に繁殖する真菌(カビの一種)が皮膚トラブルの原因になることもあります。
★秋はどんな花粉が飛ぶの?★
秋に飛散する代表的な植物には、
・ブタクサ
・ヨモギ
・カナムグラ
・イネ科植物
などがあります。
犬や猫の場合、人の花粉症のようにくしゃみや鼻水の症状が出ることは少なく、皮膚や目のかゆみが多いのが特徴です。
特に、
・足先をしきりに舐める
・顔や耳を掻く
・脇やお腹をかゆがる
・皮膚が赤くなる
・毛が薄くなる、抜ける
といった症状が見られる場合には注意が必要です。
ただし、このような症状があるからといって、必ずしも花粉が原因とは限りません。
ノミやマダニなどの寄生虫、食物アレルギー、皮膚糸状菌(カビの一種)、細菌やマラセチアなどによる二次感染、乾燥など、皮膚のかゆみにはたくさんの原因があります。
★どんな治療をするの?★
症状や原因に応じて、以下のような治療を組み合わせて行います。
・飲み薬:抗ヒスタミン薬、ステロイド、免疫抑制剤など
・塗り薬:保湿ローション、シャンプー、外用薬など
・注射薬:抗体製剤(サイトポイント)
※サイトポイントは犬用です。
月に一度の注射で痒みを軽減できることがあります。
その他、体質改善や皮膚のバリア機能を高めるためのサプリメントや、食事療法を取り入れることもあります。
★花粉から皮膚を守る「バリア機能」★
皮膚には、外からの刺激やアレルゲンなどが体の中に入り込むのを防ぐ「バリア機能」があります。
アレルギー体質の犬では、この皮膚バリア機能が低下していることがあり、皮膚が乾燥したり、外からの刺激を受けやすくなったりすることがあります。
そのため、アレルギー性皮膚炎の管理では、かゆみや炎症を抑えるだけでなく、皮膚を健康な状態に保つことも大切です。
皮膚の健康維持には、適切なシャンプーや保湿などのスキンケアに加えて、食事から摂取する脂肪酸も関係しています。
近年犬や猫のスキンケアでも保湿が注目されているため、当院でも積極的に取り入れています。
犬のアトピー性皮膚炎では、必須脂肪酸の補給によって皮膚や被毛の状態をサポートできる可能性があり、治療の補助として利用されることがあります。
★オメガ3脂肪酸を含むサプリメントという選択肢★
皮膚や被毛の健康を維持するためのサプリメントとして、当院では「アンチノール プラス」をご案内しています。
アンチノール プラスには、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸を含む、海洋性脂質「EAB-277」が配合されています。
そのベースとなっているPCSO-524には、EPA・DHAをはじめとしたさまざまな脂肪酸が含まれており、皮膚・被毛を含めた健康維持をサポートするサプリメントです。
またここ最近では体に吸収されやすいクリルオイルも追加されました。
もちろん、サプリメントを飲めば花粉症やアレルギーが治るというものではありません。
また、すでに強いかゆみや皮膚炎が起こっている場合には、サプリメントだけで改善させることは難しく、原因に応じた投薬などの治療が必要です。
一方で、日頃から皮膚や被毛の健康を維持するためのケアのひとつとして、こうしたサプリメントを取り入れることは選択肢のひとつになります。
★花粉を「つけない・持ち込まない」ことも大切★
花粉対策でまず大切なのは、できるだけ花粉を体につけないことです。
・お散歩あとは足先やお腹を濡らしたタオルなどで優しく拭く
・ブラッシングで被毛についた花粉を落とす
・草むらなど植物の多い場所を長時間歩かない
・飼い主さんの衣服や靴についた花粉を室内に持ち込まない
・こまめに掃除をする
・空気清浄機を活用する
・静電気を防ぐために保湿剤をスプレーする(病院おすすめの物もあります)
・お散歩時は洋服を着せる
などの対策をしてみましょう。
ただし、皮膚をゴシゴシ拭きすぎたり、頻繁に洗いすぎたりすると、かえって皮膚への刺激になることがあります。
その子の皮膚の状態に合わせたケアが大切です。
★「秋になるとかゆくなる」は花粉が原因かも?★
毎年、秋になると決まってかゆみが出る。
散歩から帰ると足を舐める。
草むらに行った後から皮膚を気にするようになった。
そんな場合には、花粉などの環境中のアレルゲンが関係している可能性があります。
ただ、かゆみの原因は一つとは限りません。
「花粉症だろう」と自己判断せず、症状が続く場合や悪化している場合には、一度動物病院で皮膚の状態を確認してもらいましょう。
秋は過ごしやすい季節だからこそ、愛犬・愛猫と一緒にたくさんお散歩を楽しみたい時期です。
花粉を完全に避けることは難しいですが、散歩後のケアや皮膚の健康維持など、できることから少しずつ対策していきましょう。


